日本再興戦略を確認(その5)-赤字企業が増加の理由-

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

おはようございます。横浜は曇り、最高気温は29度が予想されています。すっかり秋の気配ですね。本日は午前は都内で経営改善支援を、午後は市内で新規の会社様を訪問します。

さて、一昨日のブログでは、黒字企業数が減少し、赤字企業の割合がバブル崩壊以降高まっていることを国税庁の統計で確認いたしました。赤字企業の割合が72%というこの現実、赤字企業が増えている理由は何でしょうか?

バブル崩壊後の低成長時代、中小企業は成長力を失い利益が出しにくい環境にあるのは事実でしょう。黒字を出したくても競争が激しく止むに止まれずというのもあるでしょう。小規模企業であれば、法人税を払うくらいなら役員報酬を多くもらって個人で税金を払った方が得という感覚もあるでしょう。赤字の繰り越しも9年まで認められているので黒字と赤字を交互に意図的に出すことで節税できるということもあるでしょう。そもそも会社の財布と経営者の財布がごっちゃになっていて(所有と経営が一致していて)会社を黒字化させねばならないという意識が低いのもあるでしょう。そういう経営を行っていても小規模企業であれば誰からも文句は言われないというのもあるでしょう(企業の9割は社員数5名以下の小規模企業という統計結果があります)。つまり会社を成長させて社会の公器たる雇用の受け皿となりえるような会社に成長させようという経営者がこの20年で減少したといえば言い過ぎでしょうか。

健全な企業は利益を捻出し自己資金を充実させ新たな設備投資や研究開発を行い経営革新=イノベーションを実行しています。それらの会社には会社を何とかしたい、何とかして成長させたいという熱い思いを持った経営者がいます。そのような経営者を増やしていかないといけないのかなという点に帰結するように思います。

黒字企業数を増やす手段として、小手先であれば、法人税率引き下げ、個人の所得税アップで会社の黒字化は進みそうに思います(すでに平成24年4月から中小企業の法人税率は15%へと引き下げられていますが)。抜本的には、やはり起業を促し、新しい成長力ある企業を育成していくことが必要そうに思います。また新しい経営者へ会社を引き継ぎやすくし成長意欲も湧くような環境を準備することも必要でしょう。「新陳代謝を促す」と日本再興戦略にありましたが、国もそのようなことを考えているのだと思われます。

弊社も、「成長したい、黒字化したい」という経営者、会社の支援を行っております。ぜひお声かけください。

それでは本日も頑張っていきましょう。

 

 

 

日本再興戦略を確認(その4)-黒字企業数の推移1-

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

おはようございます。本日横浜は晴れ、最高気温は28度が予想されています。過ごしやすい天気になりそうですね。本日は午前はある支援機関と打合せ、午後はある行政と打合せ、夜は製造業の経営改善支援を行います。週の初めで盛りだくさんな内容となっています。

さて、安部政権の成長戦略「日本再興戦略」では、「黒字企業数を2020年に現状の70万社から140万社に増やす」という成果目標が掲げられています(前回ブログを参照ください)。

出所を調べてみると、国税庁が実施している「会社標本調査」の数字を元にしているようで、平成21年度の利益計上法人(黒字企業)数は71万社、欠損法人(赤字企業)数は190万社で、欠損法人(赤字企業)割合は72.8%にも及んでいて、ここ10年は緩やかな上昇傾向にあるようです。

これを日本再興戦略では、2020年(平成32年)には利益計上法人(黒字企業)数を140万社にしようということのようです。全法人数が不変だとして欠損法人割合は46.2%まで減少させるということになります。

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これが景気がよかった1990年頃はどうっだったか調べてみると、ありました。平成10年分税務統計によると、平成2年が利益計上法人数は107万社、欠損法人数が100万社と欠損法人割が48.4%となっています。2020年(平成32年)にはこれを上回ろうということのようですね。

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政府がなぜ黒字企業数倍増を目標とするのか、そしてそもそもなぜ中小企業はこんなにも赤字企業が多いのか、明日触れたいと思います。なんだかダラダラと行ってしまいそうですが、ご容赦下さい。

<出所:平成 21 年度分 会社標本調査>
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2010/kaisha_hyohon/pdf/H21.pdf

 

<平成10年分税務統計から見た法人企業の実態>
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kaishahyohon1998/05.htm

それでは本日も頑張っていきましょう。

 

日本再興戦略を確認(その3)-開廃業率の推移-

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

おはようございます。本日横浜は曇り時々雨の予報です。ジメジメとした気候になりそうですね。本日は岐阜まで終日出張です。

さて、日本再興戦略では、「開業率・廃業率を10%以上とする(現状8%)」ことが成果目標として掲げられています(前回ブログを参照下さい)。開業率・廃業率の統計で最も一般的な総務省のその推移を確認すると以下の通りです(平成19年版中小企業白書より抜粋)。直近は2001年~2004年しかありませんが、約6%の廃業率に対して、約4%の開業率となっています。1990年頃に廃業率が開業率を上回ってからこの傾向から抜け切れておりません。

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成果目標の現状8%の数字は総務省以外の数字なのかもしれませんが、中小企業白書の他の統計でもそこまで高い数字は見当たらず、数字の妥当性を確認することはできませんでした。

ただ、目標として開業率だけでなく廃業率も10%以上とするというのは若干驚きです。日本再興戦略の本文52ページに、たった4行ですが「新陳代謝の促進」として説明されています。

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②中小企業・小規模事業者の新陳代謝の促進
我が国の起業・創業を大幅に増加させ、開業率が廃業率を上回る状態にし、開業率・廃業率が米国・英国レベル(10%台)になることを目指すとともに、経営者の高齢化・後継者難が一層深刻化する中で、経営者の世代交代、親族外への事業承継等による有用な経営資源を移転促進することより、中小企業・小規模事業者の新陳代謝を促進する。
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事業承継の一手段としてM&Aの活用を促進すると捉えることができます。大企業は色々な業種で再編淘汰が進んでいますが、中小企業ではまだM&Aは一般的とはいえません。今後、中小企業でもM&Aが一般的になるような施策を打ち出してくるのでしょうか。

それでは本日も頑張っていきましょう。

 

 

日本再興戦略を確認(その2)

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

おはようございます。本日も横浜は晴れ、最高気温は34度が予想されています。

本日は午前は湘南地域の製造業へ生産管理・原価管理システムの導入支援、午後はある製造業の販路開拓支援を行います。

さて、朝一情報は、日本再興戦略のその2です。前回は戦略目標を確認しました。本日は3つのアクションプランを確認したいと思います。

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(1)日本産業再興プラン

  • グローバル競争に勝ち抜ける製造業を復活し、付加価値の高いサービス産業を創出します。
  • 企業が活動しやすく、個人の可能性が最大限発揮される社会を実現します。

(2)戦略市場創造プラン

  • 世界や我が国が直面している社会課題のうち、日本が国際的強みを持ち、グローバル市場の成長が期待でき、一定の戦略分野が見込める4つのテーマを選定し、これらの社会課題を世界に先駆けて解決することで、新たな成長分野を切り開きます。

(3)国際展開戦略

  • 積極的な世界市場展開と、対内直接投資拡大等を通じ、世界のヒト、モノ、お金を日本に惹きつけ、世界の経済成長を取り込みます。
  • 日本国内の徹底したグローバル化を進めます。
  • 政府一体となって、国内外で官民一体による戦略的な取組を進めます。

となっています。いずれも中小企業の皆様にとって気になるところではありますが、特に中小企業の皆様が注目したい中小企業向けプランとして、上記(2)の「戦略市場創造プラン」の中に「中小企業・小規模事業者の革新」と題して、以下の施策と成果目標が掲げられています。

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個人保証制度の見直しや国際展開を支援するとあります。注目すべきは「成果目標」ですね。「開業率・廃業率10%台を目指す」や「黒字企業を140万社に増やす」、「1万社の海外展開を実現する」とあります。チャレンジングな目標が掲げられているように思えます。

明日以降、この目標について、妥当性を検証してみたいと思います。

<出所:新たな成長戦略 ~「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」を策定!~>
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seicho_senryaku2013.html

それでは本日も頑張っていきましょう。

 

 

日本再興戦略を確認(その1)

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

おはようございます。本日も横浜は晴れ、最高気温は34度が予想されています。昨日から2日間は外出の予定を入れずにどこか出かけようとも考えておりましたが、たまった仕事を少しずつこなしています。

本日は、改めて安倍内閣の成長戦略についてです。今年の6月14日に閣議決定された成長戦略ですが、当方も新聞の情報程度しかなかったため本ブログにて何回かにわけて遅ればせながら確認してみたいと思います。

安倍内閣の成長戦略の名前は「日本再興戦略」と命名されています。3本の矢の第三の矢として位置づけられています。

戦略目標として「今後10年間の平均で、名目GDP3%程度、実質GDP2%程度の実現」が掲げられ、その結果として「10年後の一人当たり名目国民総所得(GNI)が150万円以上拡大が期待される」としています。

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<出所:新たな成長戦略 ~「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」を策定!~>
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seicho_senryaku2013.html

実質GDPの目標としては「10年間の平均で2%程度」という数値は、先日のブログで投稿した「1991年~2012年度の平均0.9%」は上回るが、「1974~90年度の平均4.2%」までは届かないという数値目標です。

1990年後半からリーマンショック前までは2%前後の成長率を達成していましたから決して無理な数字ではなさそうですが、チャレンジングな数字ともいえない堅実的な数字の感じがしますね。

で、次にそれに続く「結果として名目国民総所得(名目GNI)が150万円以上拡大が期待される」という点を確認しておきます。

三面等価の原則から「生産」=「支出」=「所得」なので名目国内総生産(名目GDP)が今後年平均3%伸びた場合、2012年度の名目GDPが約480兆円(出所はこちら)なので2022年度には645兆円まで増加することになります。

一方、人口は減少傾向にあり、2012年度が1億2800万人、10年後は1億2400万人と推定されているため(出所はこちら)、それを元に一人当たり名目GNIを計算すると2012年度が375万円→2022年度が520万円と145万円の増加となり、目標値の「150万円」と凡そ一致します(当方でも試算できるわけですから合致するのは当然ですね)。

ただ、GNIは企業など経済活動を行うあらゆる主体の所得の合計であり、その伸びが給与などを通じてそのまま「国民の平均所得」の増加につながるわけではないという点は注意しておきたいと思います。日本の企業活動、経済活動全体として活性化するというイメージをもっておくとよいと思います。

参考までに一人当たり名目GNIの推移を確認しておくと以下の通りです。10年後の520万円という数字の高さが認識できるかと思います。

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<出所:【図解・経済】1人当たり国民総所得(GNI)の推移>
http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_gni

それでは本日も頑張っていきましょう。