金融庁の監督検査方針が大転換

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

おはようございます。昨日の横浜は風が涼しく、久しぶりにクーラーなしの生活を送れました。今日は34度が予想されています。今日もたまった仕事を少しづつこなす予定です。

さて、本日日曜日ですが、昨日の日経新聞のトップ記事が気になり投稿しています。金融庁検査の方針が大きく変わるという内容です。

これまで全国の金融機関は、1990年代後半の金融危機以降、金融庁が作成した金融検査マニュアルに基づいて融資先の格付け(健全性)を決め、必要に応じて貸倒引当金を積み不良債権への対応を行ってきていました。

この不良債権処理優先の方針を改め、融資先の健全性の判断は各金融機関へ権限を委ねることとし、各行ごとに融資に対して独自色を出してもらい、結果として成長企業への融資が行いやすくすることを狙っているといいます。

1990年代後半の金融危機、不良債権問題の時代は金融庁による一種の規制の中で不良債権を如何に処理するかが焦点でしたが、大企業の不良債権処理は2000年代初めには終了、中小企業に至っても今年3月に金融円滑化法が終了し、今が政策転換のタイミングだと判断した模様です。

リスケ等を行っている中小企業は注意が必要です。これまでは金融庁からのお達しで「金融円滑化法終了後もこれまで通り条件変更の相談には応じること、これは永久措置です」と言ってきたため、銀行も足並みをそろえて債務者の条件変更に応じてきた面があります。しかし、今回、「銀行独自に健全性の判断を委ねる」ということは横並び意識が薄らぎ、条件変更時の金融機関調整が難しくなることが予想されます。

大企業に対する大胆な不良債権処理を行ったのは小泉政権時代の2002年に金融再生プログラムを策定した竹中金融担当大臣でした。あの後、リーマンショックまで日本経済は「いざなぎ超え」と呼ばれる好景気を迎えました。今回は、不良債権処理優先を転換とは言ってはいますが、中小企業金融円滑化法が終了し中小企業に対しても新陳代謝を促すことを考えているのかもしれません。

今回の報道によると「監督検査方針を月内に打ち出す」とありますので正式に金融庁から公表があればそれも熟読してみたいと思います。

以下、日経新聞記事の抜粋です。
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成長企業に融資しやすく 金融庁検査、銀行の査定尊重  不良債権処理優先を転換

金融庁は独自の基準に基づいた画一的な銀行検査を見直す。1990年代はじめのバブル崩壊後の不良債権処理を目的としてきた検査を転換。融資先が健全かどうかの判断は銀行に大部分をゆだねる。銀行がリスクをとりやすくなり、技術力はあるのに決算上は赤字になっている中小・ベンチャー企業がお金を借りやすくなる。日本経済の成長を後押しする効果もねらう。
金融庁は7月からの事務年度ごとに監督・検査方針を公表しており、月内にもこの方針を打ち出す。秋に3メガバンクから適用を始め、地方銀行・第二地方銀行にも広げる。検査局と監督局の双方にまたがるチームを立ち上げて見直しの検討を始めており、麻生太郎財務・金融相の了解を得て公表する。

最大のポイントは融資先の査定を銀行に任せることだ。仮に倒産しても銀行の経営に響かないような中小企業向けの融資は、原則として銀行の自己査定を尊重する。大手企業などたくさんのお金を貸している大口先融資も検査対象にする範囲を小さくする。

銀行は赤字決算を出したり、返済が1~2カ月滞ったりした企業を「その他要注意先」として管理している。正常債権の一部で、「不良債権予備軍」ともいわれる。だが、金融庁検査で不良債権とみなされると、銀行は貸し倒れに備えた引当金を積み増す必要があり、新規融資に応じられなくなっていた。

金融庁が銀行の自主判断を尊重することで、銀行はその他要注意先の企業にも新規にお金を貸せるようになる。創業期に赤字が続くベンチャー企業や、技術力はあるのに過去の投資の失敗で赤字に陥っている中小企業などが、将来的な成長力や潜在力をもとに運転資金や設備資金を借りやすくなる。

銀行が「その他要注意先」と分類している貸出債権は、銀行全体の債権の1割程度(約40兆円)ある。今年3月末で切れた中小企業金融円滑化法で返済猶予を受けていた企業も多く含まれるが、金融庁検査の見直しを機に銀行の新規融資が増えそうだ。

金融庁は地域経済活性化支援機構など外部の企業再生機関や、返済の優先順位の低い「劣後ローン」といった企業再生の手法を使い、成長可能性はあるが一時的に業績が悪化している企業の再生も促す。

金融庁が検査体制を見直すのは、バブル期のように甘い自己査定が原因で銀行の経営が揺らぐリスクが遠のいたからだ。また、金融危機が去って銀行の体力が回復したのに融資が伸び悩む背景には、金融庁検査で細かく銀行を拘束しすぎる弊害があると判断した。
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それでは本日も頑張っていきましょう。