中小企業再生ファンドの組成相次ぐ

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

ここ2ヵ月ほど、中小企業の事業再生支援を目的にした中小企業再生ファンドの設立・組成が全国で相次いでいます。日本経済新聞のWeb記事だけでも下記が出てまいります。

鳥取・島根の9金融機関、事業再生ファンド設立(2012/12/27)
東京で官民の中小再生ファンド(2012/12/23)
新潟の地銀3行など、事業再生ファンドと協定(2012/12/20)
佐賀の金融機関、事業再生で共同ファンド設立(2012/12/11)
北陸銀など事業再生ファンド設立で合意 20億円規模(2012/11/25)
阿波銀、ファンド活用の企業再生で協定(2012/11/25)
四国地銀、中小支援への再生ファンド設立相次ぐ(2012/11/14)
愛知の金融機関など、事業再生ファンド設立へ(2012/10/29) 

これらは基本的に地域の金融機関と国の独立行政法人である中小企業基盤整備機構が官民共同でお金を出し合ってファンドを設立し、収益力はあるものの過剰債務で窮境に陥った中小企業に出資や債券買取などの手段を講じ再生を支援することを目的としています。

この設立ラッシュの背景には、今年4月に金融庁が公表した「中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の経営支援のための政策パッケージ」の中で、事業再生支援の環境整備の一手段として事業再生ファンドの成立を促進するとあり、円滑化法の終了を見据えて早急に支援基盤を進めている国の働きかけがあります。

では、弊社お膝元の神奈川県はどうでしょうか。すでに一年前の平成23年12月に「かながわ中小企業再生ファンド」という名称でファンドが設立されていて、中小企業基盤整備機構のほか県内の金融機関と保証協会が出資しあい総額24.1億円のファンドを組み、10社程度の中小企業への出資や債権買取で活用を予定しています。

「かながわ中小企業再生ファンド」 ~神奈川県初の官民一体型の中小企業再生ファンド~

神奈川県中小企業再生支援協議会で支援を受けた先が対象ですが、ある程度の雇用や事業基盤を有し、収益力もありながら、過剰債務で資金繰りが逼迫しているような中小企業が対象となるものと思われます。

 

金融円滑化法終了に関するアンケート結果

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

ここのところ来年3月末の金融円滑化法期限到来に関する記事をよく目にするようになりました。世間の注目が集まり始めています。

帝国データバンクは、12月10日に金融機関への金融円滑化法終了に関するアンケート結果を公表しています。

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p121202.html

 

1.貸出条件の変更を実施した企業の割合 ~「20%以下」との回答が6 割超~

まずこの3年間で貸し出し条件の変更を行った融資先企業数の割合は「20%以下」と回答した金融機関が3分の2(66.9%)、次いで「21%~40%」が約4分の1(28.4%)を占めたそうです。平均までは定かではありませんが、凡そ10%~20%の融資先が条件変更を行っているとみなせそうです。世間一般では、日本の中小企業400万社のうち30万社~40万社が条件変更を行ったと言われていますので、そのうち融資を受けている企業の割合を考慮するとその数は結構妥当な数字のように思われます。

2.改善計画目標を達成している企業の割合 ~「40%以下」との回答が過半~

次に改善計画目標を達成している企業数は「40%以下」が過半とのこと。改善計画は、実現可能性が高い計画策定が基本ですが、ある程度は借入の返済に目途を付けるためにも売上高は横ばいとしながらも利益率の改善は至上命題となります。しかし、なかなか抜本的な改善が進まず目標未達に終わっているケースが多いのでしょう。小規模事業者ほど打ち手が少なく抜本的な改善策が打てないという現実もあったりします。

3.再変更依頼に応じる見込み ~「81%以上」応じるとの回答が最多~

金融円滑化終了後も条件変更の再変更の依頼に応じる企業数は「81%以上」と回答した金融機関が6割以上あったようです。信用金庫や信用組合などは、地域密着金融を推し進めている関係上、もともと中小企業からの条件変更の依頼には臨機に対応していたため、円滑化法終了に関係なく今後も条件変更には柔軟に対応されることが予想されています。問題はメガや一部の地銀などを含めて複数行から借入を行っている場合、これまでは金融円滑化法という縛りがあったため、協調して条件変更に応じていましたが、今後は足並みが崩れ、一部の銀行はそれに応じないとも言われています。事実、そのような状況が起き始めているとも耳に入ってきています。

4.金融円滑化法終了後の企業倒産動向 ~減少を見込む金融機関はゼロ~

そのように各行の足並みがそろわない事態も発生する可能性が高まるため、今後、企業倒産は「やや増加する」と回答した金融機関が6割を占めたというのもうなずけるわけです。それ以外にも経営改善が進まずさらに資金繰りが悪化し清算に追い込まれる企業も出てくるものとお思われます。

現時点で、メガもしくは大手地銀などを含んだ複数行から借入を行っている、もしくは、経営改善計画は策定しているものの達成率の悪い中小企業は注意が必要です。

今後も国がなんとかしてくれるという甘い考えは捨て、日々、自社の経営状況を把握し、常に改善の意識を持って、打てる手は先手先手で打っていかねば厳しい現実が待ち受けていると肝に銘じるべき時です。ぜひ弊社のような事業再生の専門家にお問い合せ頂けたらと思います。

 

 

金融円滑化法終了見据え県内8信金が意見交換

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

来年3月末の中小企業金融円滑化法の終了を見据え、中小企業の経営改善・事業再生の促進を図るため、神奈川県内の信用金庫8社が集まり意見交換会を開催したとの記事がカナロコに掲載されていました。

弊社もお世話になっている某信用金庫の職員の方からこの会議のお話しは伺っておりましたが記事を発見しましたので本ブログでもご紹介させて頂きます。

信用金庫は地域密着型金融の要として国からも中小企業支援機関としての役割が期待されており、各信用金庫ともさまざまな経営支援に取り組んでいます。

下記記事では新規事業のための融資や産学連携による技術開発の支援を行った事例が報告がなされていますが、来年以降は、やはり経営改善・事業再生への独自の取り組みがより一層重要性を増してくるものと思われます。弊社もお役に立てるよう精進していきたいと思います。

—-カナロコ(2012年12月14日付)—-
円滑化法期限見据え、県内8信金が意見交換/神奈川

中小企業の借金返済を猶予する中小企業金融円滑化法が2013年3月末に期限を迎えるのを見据え、県内の信用金庫が中小企業の経営改善・事業再生の促進を図るコンサルティング機能の強化に力を入れている。財務省横浜財務事務所が13日に開いた意見交換会には県内8信金の実務担当者ら約40人が参加。互いの取り組みを報告し、中小企業再生への課題を探った。

横浜市中区の横浜第二合同庁舎で開かれた「地域密着型金融推進のための事例検討会」では、8信金が独自の取り組み事例を発表した。

横浜信用金庫は、営業店と本部の審査部署、経営支援チームが連携。営業体制や商品の価格設定、外注の見直しといった経営課題を貸出先と共有した。審査部署との連携を密にしたことで、担保や保証に過度に依存せずスピーディーな融資に結び付いた事例を紹介した。

湘南信用金庫は産学連携に力を入れている。貸出先と経営改善計画を練る中で、環境問題に対応した新製品導入による需要発掘が必要と判断。神奈川大学と協定を締結し、取引先の技術開発支援に取り組んだ。9月に1次成果物の実証実験を行い、製品化に向けて研究を続けているという。

このほか、横浜銀行グループの「横浜キャピタル」は再生ファンド活用を提案し、中小企業の経営改善計画の制定などを支援する県中小企業再生支援協議会が金融機関の対応の問題点などを挙げた。

同協議会の石井允三幸(まさゆき)統括責任者は「金融機関は企業の業務フローの把握が欠けている。実態をつかまなければ本当の会社の課題は分からない」と指摘した。

開会に先立ち、財務省横浜財務事務所の井上泰延所長は「金融円滑化法の期限到来を控えて金融機関のコンサルティング機能の一層の発揮が求められている。中小企業再生支援に向けて積極的で丁寧な対応を行ってほしい」と呼び掛けた。
—–

 

 

再生計画策定に係る費用負担を軽減する新制度を創設

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

12月18日付けの日刊工業新聞に再生計画策定に関する費用負担を軽減する新制度が年明けの経済対策に盛り込まれるとの記事が掲載されました(下記参照下さい)。

先日、中小企業再生支援協議会でも2次対応(再生計画策定)では専門家への報酬として企業負担が求められる旨、本ブログでもご紹介させて頂きました(再生支援協議会に関するブログはこちら)。この記事ではその企業負担が平均350万円に上ると紹介しており、その負担を軽減する新制度を創設するとのことです。

平成25年度の概算要求でも、来年3月の中小企業金融円滑化法が終了するにも関わらず、特段、中小企業の事業再生に対する予算が取られていなかったため、国は一体どうするつもりなのかと注目はしておりましたが、経済対策の一環として取り組むことを決めたようです(平成25年度概算要求に関するブログはこちら)。

それにしても予算規模が数百億円とは中小企業向けの一支援策で予算額としては大規模な支援措置となりそうです。

—-日刊工業新聞(2012.12.18)記事内容—
企業庁、中小の経営改善加速-計画策定の費用支援で新制度

経済産業省・中小企業庁は、中小企業の抜本的な経営改善を加速させるため、事業再生計画の策定に伴う費用を支援する新たな制度を創設する方向で検討に入った。中小企業の借入金返済を猶予してきた中小企業金融円滑化法が2013年3月末に終了するのに伴う措置。26日にも発足する自民党の安倍晋三新内閣が、年明けに取りまとめる予定の経済対策に盛り込む。予算規模は数百億円になる見通しだ。

金融円滑化法終了に伴い、抜本的な経営改善が必要な中小企業は5万から6万社あるとみられる。このなかには債務免除や債務の株式化(DES)、また会社分割や事業譲渡といった企業再編を伴う高度な再生案件が増えることが予想される。

ただ、経営が行き詰まった企業にとっては、これら手法活用の前提となる財務状況の把握や将来性を分析するための費用が重くのしかかる。中小企業再生支援協議会に持ち込まれた案件の場合でも、資産査定や事業再生計画策定、フォローアップに伴う一連の費用は1社あたり平均350万円程度に上るという。

これら費用は基本的には企業負担となるが、経産省幹部は「経済的な理由から経営改善計画が策定できない企業には何らかの支援措置が必要」と、企業を直接経済的に支援する施策の必要性を指摘している。支援対象とする費用の範囲や国の負担割合など詳細は調整中だ。

金融円滑化法終了後をめぐっては、政府はこれまでに支援体制の整備や中小企業再生支援協議会の案件対応能力の強化を進めてきた。一連の環境整備を終え、今後は個別企業の実情に合わせたきめ細かな対応に焦点が移る。

—-ここまで—-

 

「第5回ものづくり日本大賞」の募集

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

経済産業省は、12月14日(金)から、日本の「ものづくり」において製造現場を支える方々を表彰する「第5回ものづくり日本大賞」の応募者を募集しています。

「ものづくり日本大賞」は、日本の産業・文化の発展を支え、豊かな国民生活の形成に大きく貢献してきたものづくりを着実に継承し、さらに発展させていくため、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や、伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、今後を担う若年人材など、ものづくりの第一線で活躍する各世代のうち、特に優秀と認められる方々を顕彰する制度です。

[応募期間]平成24年12月14日(金)~平成25年2月22日(金)

詳しくは以下サイトをご覧下さい。

第5回ものづくり日本大賞専用ホームページ
http://www.monodzukuri.meti.go.jp/

 

 

かながわ企業支援ネットワーク>中小企業支援ネットワークの構築

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

12月14日に金融庁から全国47都道府県において「中小企業支援ネットワーク」の構築が完了した旨、公表がありました。

http://www.fsa.go.jp/news/24/ginkou/20121214-5.html

もともと平成24年4月20日に公表した「中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた政策パッケージ」の中で、「各地域における中小企業の事業再生等の支援を実効あるものとするため、金融機関、事業再生の実務家、中小企業関係団体、地方公共団体等からなる『中小企業支援ネットワーク』を構築する」とあり、その準備を進め、当方のブログ(10月29日付け)でもご紹介した「保証協会を窓口とした事業再生支援組織の設置」を全国的に推進してきておりました。今回、その設置が完了したとのことです。

中身を見ると、「中小企業支援ネットワーク」の活動は大きく2つあります。

1つは、「各機関の連携を通じて、普段からの情報交換や経営支援施策、再生事例の共有等を行い、経営改善や再生の目線を揃えることで、経営改善や再生のインフラを醸成し、地域全体の経営改善、再生スキルの向上を図っていく。そのために定期的に情報交換会や研修会を実施する」とのこと。年2~3回程度開催するようです。

もう1つは「各県の信用保証協会等を中心に、個別の中小企業者が自らの関係者と意見を交換し、あるべき支援の方向性について検討していく場(経営サポート会議)の構築についても検討を進めている」とのこと。まだこちらは構築が完了したわけではないようですが、全国的に推進していく模様です。

今回、神奈川県では「かながわ企業支援ネットワーク」という組織名で県内の3つの信用保証協会と中小企業再生支援協議会とが共催してこの活動を進めていくことを決めたようで、42団体が参加する予定となっています。

中小企業再生支援協議会では対応しきれない案件を対応していくことが期待されています。積極的な活用が進み1社でも多くの窮境に陥った中小企業が再生することを期待したいと思います。弊社も本支援制度に積極的に関わっていきたいと思います。

 

 

中小企業再生支援協議会の活動状況(平成24年度第2四半期)

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

12月10日に全国の中小企業再生支援協議会の平成24年度第2四半期の活動状況が中小企業庁から公表されました。

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/kyougikai/index.htm

中小企業再生支援協議会は中小企業の事業再生に向けた取り組みを支援するため、「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法」に基づき全国の都道府県毎に設置されている公的機関です。平成15年から設置されています。

支援内容は、窓口での相談対応(1次対応)とそこで再生計画の策定が有効と判断された企業には再生計画の策定支援(2次対応)を実施し、金融機関とのリスケ(返済条件の変更)等の調整を行うというものです。

今年度は、中小企業金融円滑化法が終了することに伴い、金融庁等が平成24年4月20日に公表した「中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた政策パッケージ」が策定され、その中で中小企業再生支援協議会での再生計画策定支援(2次対応)の目標件数を全体で3000件程度を目指すとしています。

これまで再生支援協議会での再生計画策定完了件数は、最も多い年で476件(平成21年度)なので6倍強の目標となっており、それを実現するために、これまでよりもデューデリジェンスを簡略化するなどして再生計画策定に係る標準期間を2ヵ月に抑え迅速に支援を進めるよう対応方法を見直しています。

で、実際に公表された資料を見てみますと、9月末までに再生計画の策定が完了した件数は153件で平成21年度の実績よりも少なくなっていますが、その他に計画策定支援中311件、計画策定の事前調査中は42件、計画策定候補は545件があるとのことで(完了件数含めると全1051件)、3000件の目標件数には届きそうにありませんが、平成21年度の実績を大幅に上回ることが想定されます。下期には大きく実績が積みあがりそうな状況です。

また、神奈川県に限ってみてみますと、9月末時点で計画策定完了数はわずか2件ではありますが、計画策定支援中は17件、計画策定の事前調査中は19件と全国に占める割合も非常に高く、神奈川県の活動が活発になっていることが伺えます。

ただし、2次対応以降で専門家による再生計画策定支援を受ける場合には、別途専門家への報酬を企業が負担することが求められます。弊社でも再生計画の策定、金融機関との調整なども行っておりますのでぜひお問い合せ頂けたらと思います。支援機関の専門家派遣制度などを活用しお客様負担が極力少なくなるようご提案させて頂きます。