中小企業金融円滑化法終了後の金融機関の対応

神奈川県横浜市の経営コンサルティング会社 ブレイブコンサルティングの代表です。

来年3月末で終了期限が到来する中小企業金融円滑化法ですが、その終了により金融機関がこれまで返済を猶予していた取引先に対して返済を迫り倒産が急増するのではないかとの懸念が持たれています。地域の信用金庫や地銀は地域で生きていけなくなるので信用が低下するようなことはしないと当社の関係する金融機関から伺っておりますが、メガバンクは果たしてどういう対応に出るのか手のひらを返すのではないかと懸念されています。

そのような中、11月1日に金融庁から「金融担当大臣談話-中小企業金融円滑化法の期限到来後の検査・監督の方針等について-」が公表されました。金融円滑化法が終了することで金融機関や金融庁がどういう対応に出るのか等、様々な問合せを受けていることへの回答として公表しています。

http://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/2012/20121101-1.html

ポイントを引用すると以下。

  • 貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべきということは、円滑化法の期限到来後においても何ら変わるものではない
  • 金融庁は、日常の検査・監督を通じて金融機関に対し、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるよう促していく
  • 貸付条件の変更等を行っても不良債権とならないための要件は恒久措置であり、円滑化法の期限到来後も不良債権の定義は変わらない
  • その要件とは「経営改善計画が1年以内に策定できる見込みがある場合」や「5年以内最長10年以内に経営再建が達成される経営改善計画がある場合」は不良債権に該当しない
  • 金融機関に対しては、自らのコンサルティング機能を積極的に発揮し借り手の経営課題に応じた最適な解決策を提案し実行支援するよう促していく

という内容です。つまり、「中小企業金融円滑化法が終了しても金融庁のスタンスは何ら変わらず、これまで通り、条件変更への対応を促し条件変更を行っても経営改善計画があれば不良債権の対象とはせず、金融機関にはコンサルティング機能を発揮させていくことを促していく」としています。

このような金融庁の検査・監督方針が明確になるのであればメガバンクもこれに従わざるをえず、結果として急な返済を求めるような貸しはがし等は起きえないと考えられます。円滑化法終了により倒産が急増するといった事態は避けられそうに思います。

ただ、返済猶予を継続し何もしないままだと非効率な企業の延命に繋がり実質的に不良債権となり金融機関としての成長分野への資金提供が行いずらくなり、結果として日本経済の再生にも悪影響となることも懸念されます。一部では金融円滑化法終了後、非効率な企業が淘汰されることで経済取引が流動化し経済のダイナミクスが促され日本再生につながると期待する声もあったのは間違いありません。

金融庁は、そういう意味でも、金融機関に対してコンサルティング機能の発揮を強く求めています。非効率な企業を効率的な企業へ変革し、企業再生と共に経済再生、日本再生へと繋げていくシナリオを考えているのだろうと思われます。当社もこれまでの実績を活かしその一助となれるよう邁進していきたいと思います。